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3D CADにはソリッドモデリング、サーフェスモデリングがあります。これらの機能は職種によっては使用する頻度も増えるかと思いますので、覚えておいて損はありません。
サーフェスモデルとは、厚みを持たない面で構成された立体です。現実的に、「厚みを持たない物」は考えにくいですが、風船のような物をイメージすると分かりやすいでしょう。
厚みを持たないと共に、中身がないことも意味していますので体積、質量がありませんので、アセンブリのように干渉チェック・シミュレーションはできません。また、最終的にソリッドモデリングに変更するケースも多いです。
主にキャラクター、インテリアなどデザインをメインとするケースで使われることが多い手法です。
質量を持たないサーフェスモデルに対し、ソリッドモデルは頂点や線・面で構成されています。もちろん体積もありますので、質量計算等も行う必要があります。中身があるからこそ、体積や質量の計算が行えると考えることもできます。実際、ソリッドモデルはとある製品の登場で大きな注目を集めるようになりました。
それは3Dプリンターです。3Dプリンターでの造形はソリッドモデルが使用されます。3Dという立体的なものを生み出す3Dプリンターは、サーフェスモデルでは対応できません。その点からも、ソリッドモデルの需要は根強いものがあります。
かつてモデリングといえば先に紹介したサーフェスとソリッドが主流でしたが、昨今はワイヤーフレームモデルと呼ばれる、第三の手法も登場しています。
ワイヤーフレームモデルは中身や面がありません。輪郭のみで構成されているという点に於いてはサーフェスモデルに近いものがあります。
あくまでもフレームのみでつくられたものではあるものの、3Dなので立体感はあります。また、ワイヤーフレームモデルには大きなメリットがあります。それは表示速度の速さです。あくまでもワイヤーによるフレームのみの簡素なデータを表示していますので、動作が軽快です。
サーフェスモデルにせよソリッドモデルにせよ、それなりのデータ量となるので作業が進めば進むほど、軽快感が損なわれ、表示が遅くなることも珍しくありませんが、ワイヤーフレームモデルであれば表示が軽いです。
そのため、ある程度の形ができるまではワイヤーフレームでストレスなく作業を行い、終盤に差し掛かってきてからソリッドモデルに切り替えるという手法を採用しているケースも珍しくありません。
中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。
ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。
製品名 |
幅広い拡張子に対応できる
IRONCAD
互換性を重視したいなら |
必要十分の機能をカバーし
Alibre Design
低コストを重視したいなら |
誰でも直観的にデザインできる
ZW3D
操作感を重視したいなら |
---|---|---|---|
主な用途・得意分野 | <自動機設計・設備機械設計 | 機械装置・金型の設計 | 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計 |
対応フォーマット | インポート:26 エクスポート:33 |
インポート:18 エクスポート:11 |
インポート:24 エクスポート:24 |
ライセンス価格 | IRONCAD スタンドアローンライセンス 1,135,970円(税込) |
Alibre Design エキスパートライセンス (メンテナンス込み) 535,000円(税込) |
ZW3D プロフェッショナルライセンス 946,000円(税込) |
操作感の特徴 | マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。 ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。 |
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。 曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。 |
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。 さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。 |
各社詳細 |