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ヒストリー/ノンヒストリー

3D CADはヒストリーベースとノンヒストリーベースに分類することも可能です。それぞれの特徴や該当モデル等をご紹介しますのでご覧ください。

ヒストリーベースとは

ヒストリーベースとは作業の履歴が残るタイプの3D CADです。
フィーチャーベースと呼ばれることもあるタイプで、作業履歴が残ることから、一人だけではなく、複数の人間が作業に携わる際、責任の所在を明らかにしたり、履歴が残るので、他者が見た際に「こういった狙いがあるのか」など、意識の共有を行いやすい点がメリットです。
また、部分的な修正を行いやすい点も特徴です。例えば「この部分だけ少し変える」が可能です。一部分を修正するために大掛かりな作業を行う必要がない点から、修正ありきで作業を進める際にはヒストリーベースの使い勝手は重宝することでしょう。

ヒストリーベースのデメリット

ヒストリーベースの3D CADのデメリットとして挙げられるのが時間がかかる点です。あくまでもノンヒストリーベースと比べてではありますが、履歴が残る点に加え、あくまでも修正を考慮したモデリングを行いますので、特に作業開始段階では時間と手間がかかることでしょう。
また、履歴をその都度残すということは、それだけマシンに負担を与えることになりますので、マシンパワーが脆弱な場合、動作の軽快性が損なわれてしまうこともあります。

ヒストリーベースの3D CAD

ここではヒストリーベースの3D CADの一部をご紹介いたします。

Inventor(オートデスク社)>>
NX(シーメンスPLMソフトウェア社)>>
CATIA V5(ダッソー・システムズ社)>>
Solid Edge(シーメンスPLMソフトウェア社)>>
※各製品の詳細については、製品ページをチェック!

ノンヒストリーベースとは

ノンヒストリーベースとは、履歴が残らないCADになります。
作業の都度履歴が残るヒストリーベースに対し、履歴が残りませんので軽快感があります。直感的な作業が可能になることから、ヒストリーベースと比較すると短時間でのモデル作成が可能です。

ノンヒストリーベースのデメリット

ノンヒストリーベースのデメリットとして、修正に手間がかかる点が挙げられます。ヒストリーベースのCADの場合、修正する際には部分的な修正が可能ですが、ノンヒストリーベースのCADの場合、部分的に修正したい場合に於いても、場合によっては周辺のパーツ大部分の修正を行わなければならないケースが多々あります。
例えばネジ穴の本数を変えたい場合、ヒストリーベースであれば本数を変えるだけで良いでしょう。しかし、ノンヒストリーベースの場合、穴をあける土台そのものから修正しなければならないケースも。また、自分以外の人間が見た場合、意図が分からないのでどのように手を加えればよいのか意思疎通が必要な点もデメリットに挙げられます。

ノンヒストリーベースの3D CAD

互換性・価格・操作感に優れた
おすすめの3D CADソフトウェア3選

中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。

ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。

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製品名
幅広い拡張子に対応できる
互換性を重視したいなら
IRONCAD
必要十分の機能をカバーし
低コストを重視したいなら
Alibre Design
誰でも直観的にデザインできる
操作感を重視したいなら
ZW3D
主な用途・得意分野自動機設計・設備機械設計 機械装置・金型の設計 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計
対応フォーマット インポート:26
エクスポート:33
インポート:18
エクスポート:11
インポート:24
エクスポート:24
ライセンス価格 IRONCAD
スタンドアローンライセンス
1,135,970円(税込)
Alibre Design
エキスパートライセンス
(メンテナンス込み)
535,000円(税込)
ZW3D
プロフェッショナルライセンス
946,000円(税込)
操作感の特徴 マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。
ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。
曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。
さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。
各社詳細
選定条件:
Google検索「3DCAD」の結果から、用途に製造業が含まれている3DCADソフトウェア39種類を抽出。その内、対応するデータ形式が合計20個以上で、パラメトリックモデリング対応とマウスによる直観操作が可能、かつ価格が40万円~120万円程度のミドルレンジ帯のソフトウェア10種に絞り込んだ。
・IRONCADの選定理由:10種の内、もっとも対応データ形式が多い3DCADソフトウェアとして選出。

・Alibre Designの選定理由:10種の内、ライセンスの価格がもっとも安い3DCADソフトウェアとして選出。
・ZW3Dの選定理由:10種の内、ハイブリッドモデリングをマウス等の入力装置を用いた直観操作で使える、唯一のオールインワン型3DCADソフトウェアとして選出。 (調査日:2023年11月3日)
3DCAD比較