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製造業・生産技術部門における3D CADの選び方

3D CAD導入のメリット

「3D」だからこそできることがある

3D CADは3DのCAD。2D(2次元)のCADと比べると、より実物に近い製図・設計を可能にするだけではなく、CAD上で作成したデータによる様々なシミュレーションも可能です。実物ではなく、データとして様々なパーツを組み立てられるので、問題点はないのかなどをより正確に把握できます。
一方で、3D CADには様々なタイプがあります。それぞれメリットが異なりますので、どの3D CADを選ぶのかによって受けられるメリットも変わります。

3D CAD選びでチェックしておきたいこと

3D CADを選ぶにあたって、大きく5つのチェックポイントに分類してみました。これから3D CADをと考えている人は、まずはこれら5つのチェックポイントをじっくりと把握して見ると良いでしょう。

用途・得意分野

どんな用途・何を得意とする3D CADなのか

3D CADによってできることは異なります。その点ではまずは「何をしたいのか」を明確にすることで、何が得意な3D CADを選ぶと良いのかが見えてくることでしょう。そのためにも、まずはそれぞれ3D CADについての特徴を把握することが大切です。それらを整理すると、自ずと選ぶべき何を得意とする3D CAD見えてくることでしょう。

データ変換・互換性

ポイントになるのはカーネルや中間ファイル

データの互換性もまた、3D CADを選ぶポイントの一つです。CADの使用環境によりけりではあるものの、様々なデータを扱える3D CADであればあるほど、他のCADで作成したデータの再生を可能にします。他人・他社が作成したCADデータを受け取り、加工することが多い人はこの点の重要性はとても高いです。

操作の難易度

難しいと言われる3D CADの操作、使えなければ宝の持ち腐れ

どれだけ素晴らしいスペック・特徴を持つ3D CADも、使いこなせなければ意味がありません。3D CADの情報収集をすると、様々な特徴を把握できるかと思いますが、それらの特徴は、「使いこなしてこそ」です。いくら便利な機能が搭載されていても、難解な操作で上手く使えなければ、宝の持ち腐れです。

再現性・作業効率

再現性や作業効率こそ本来の目的、その鍵を握るのは互換性

3D CADを使用する目的はあくまでも製図や設計を通して製品を完成させるための物であって、3D CADの使用はいわばプロセスです。しかし、再現性が低い3D CADでは本来の目的を果たせませんし、作業効率が悪い3D CADでは、目的を達成することも困難です。再現性や作業効率は、地味な部分ではありますがとても大切であると気付かされることでしょう。

コスト

コストは決して無視できないもの

3D CADを導入するにあたって、コストは決して無視できない部分です。しかし、具体的にどのようなコストがかかるのかも把握しておかなければなりません。ランニングコストやイニシャルコスト、さらには本体以外の部分に於いても費用がかかるケースがありますので、それらをトータルで考えることが大切です。

その他にも意識したいポイント

セミナー

3D CADについて学べるチャンス

3D CADの初心者や、今よりもっと3D CADの技術をレベルアップさせたいと考えているエンジニアにとって、3D CADの活用法を専門家から学べる3D CADセミナーは魅力的な学びの場です。

セミナーにはそれぞれテーマやカリキュラムが設定されている他、主催者ごとの特徴もあり、自分のニーズや目的に合致した3D CADセミナーを受講することで、より効率的に3D CADへの理解を深めることができます。

補助金

3D CADの導入に活用できるIT導入補助金

企業が3D CADを導入したり、既存のシステムを刷新したりする際、補助金や助成制度を活用できる場合があります。

ここでは、3D CAD導入に活用できる可能性のある補助金として「IT導入補助金」を例に挙げながら、補助金を活用する際のポイントや注意点などをまとめました。

補助金の目的や条件をしっかりと確認して、悪質な事業者に騙されることなく経営課題を解決していきましょう。

互換性・価格・操作感に優れた
おすすめの3D CADソフトウェア3選

中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。

ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。

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製品名
幅広い拡張子に対応できる
互換性を重視したいなら
IRONCAD
必要十分の機能をカバーし
低コストを重視したいなら
Alibre Design
誰でも直観的にデザインできる
操作感を重視したいなら
ZW3D
主な用途・得意分野自動機設計・設備機械設計 機械装置・金型の設計 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計
対応フォーマット インポート:26
エクスポート:33
インポート:18
エクスポート:11
インポート:24
エクスポート:24
ライセンス価格 IRONCAD
スタンドアローンライセンス
1,135,970円(税込)
Alibre Design
エキスパートライセンス
(メンテナンス込み)
535,000円(税込)
ZW3D
プロフェッショナルライセンス
946,000円(税込)
操作感の特徴 マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。
ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。
曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。
さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。
各社詳細
選定条件:
Google検索「3DCAD」の結果から、用途に製造業が含まれている3DCADソフトウェア39種類を抽出。その内、対応するデータ形式が合計20個以上で、パラメトリックモデリング対応とマウスによる直観操作が可能、かつ価格が40万円~120万円程度のミドルレンジ帯のソフトウェア10種に絞り込んだ。
・IRONCADの選定理由:10種の内、もっとも対応データ形式が多い3DCADソフトウェアとして選出。

・Alibre Designの選定理由:10種の内、ライセンスの価格がもっとも安い3DCADソフトウェアとして選出。
・ZW3Dの選定理由:10種の内、ハイブリッドモデリングをマウス等の入力装置を用いた直観操作で使える、唯一のオールインワン型3DCADソフトウェアとして選出。 (調査日:2023年11月3日)
3DCAD比較