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3D CADの選び方の一つに、再現性・作業効率が挙げられます。この点に関しては、3D CADを使用する上で大切なポイントでもあるので覚えておきましょう。
作業効率に関しては業種によって異なる部分がありますが、3D CADに関しての作業効率は、やはり互換性の高さになります。
同じカーネルであれば互換性が高いのでデータのやり取りもスムーズです。少なくとも、「データが開けられない」といった、作業に入る前の段階での問い合わせの必要性が低下します。より効率よい作業をと考えた時、環境によって左右される点は言うまでもありませんが、独自カーネルを採用し、互換性の低い3D CADを利用していると、データのやり取りで不便さが残ります。その点では、互換性の高い3D CAD=作業効率を高める3D CADと考えて良いでしょう。
再現性とは、3D CADはいわばコンピューターソフトです。画面の中で、ソフトが演算処理や計算を行い、「実際に設計したらどうなるのか」をシミュレーションしてくれるものです。コンピューター上で問題ないと思って実際に設計してみたものの、いざ実物を見たら思っていた物と違う…。実はこの問題は、案外多いものです。
3D CADを導入する理由は、決してコンピューター上で製図して終わるのではなく、製図を元に製品化することです。しかし、実際に形にしてみたら全然違うものになってしまうようでは意味がありません。その点でも、再現性はとても大切です。
また、再現性が高い3D CADであれば、使用者としても手間がかかりません。これらの点からも、再現性が大切であることが分かるのではないでしょうか。
3D CADのデータをやり取りする場合もまた、再現性が大切です。ネイティブファイルの場合、同じ製品同士であれば再現性も高まりますが、そもそもネイティブファイルを読み込めるのかという問題があります。
仮にですが、読み込めなかった場合中間ファイルを用意しなければなりませんし、変換した際に再現性が低いことで、製作者の意図とは異なる形になってしまうケースもあります。
これらの点からも分かるように、3D CADではファイルの読み取り、さらには出力などカーネルに関わる部分が大切になります。再現性=互換性と考えても相違ないほどに、重要な部分だと覚えておいた方が良いでしょう。
中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。
ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。
製品名 |
幅広い拡張子に対応できる
IRONCAD
互換性を重視したいなら |
必要十分の機能をカバーし
Alibre Design
低コストを重視したいなら |
誰でも直観的にデザインできる
ZW3D
操作感を重視したいなら |
---|---|---|---|
主な用途・得意分野 | <自動機設計・設備機械設計 | 機械装置・金型の設計 | 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計 |
対応フォーマット | インポート:26 エクスポート:33 |
インポート:18 エクスポート:11 |
インポート:24 エクスポート:24 |
ライセンス価格 | IRONCAD スタンドアローンライセンス 1,135,970円(税込) |
Alibre Design エキスパートライセンス (メンテナンス込み) 535,000円(税込) |
ZW3D プロフェッショナルライセンス 946,000円(税込) |
操作感の特徴 | マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。 ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。 |
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。 曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。 |
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。 さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。 |
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