公開日: |更新日:

機械設計

ここでは、用途別の導入例として、機械設計に3D CADを導入した企業の一例をご紹介します。

九州セミコンダクターKAWの事例 ミッドレンジ3D CADを導入

機械設計に3D CADを導入したきっかけ

九州セミコンダクターKAWは、半導体事業と前工程(ダイボンディング、ワイヤーボンディング、ポッティング、テスト、出荷の検査などの一連の作業)から組立工程まで行っている会社です。
九州セミコンダクターKAWは、2013年より3D CADを導入しているとのこと。導入のきっかけとなったのは取引先から紹介された点に加え、同時期に部下から3D CADを利用することで業務効率改善の提案があったからとのこと。

3D CADを導入して

3D CADを導入した結果、モデリングの速さによる効率化を実現しただけではなく、お客とのコミュニケーションが深まったとのことです。二次元の場合、どうしても目に見えない部分は想像力で埋めなければならず、その点に於いて齟齬が生じることも珍しくなかったのだそう。

3D CADの場合、立体感はもちろんのこと、様々な角度から見ることができるため、より細かい部分も意思を共有しやすくなり、誤解や齟齬が減ったことで効率化が進み、短期間での設計が可能になったとのことです。
特に劇的に変わった点として挙げてくれたのが干渉部分。2次元のCADの場合、よく見ると干渉している部分が発見されることも珍しくなかったものの、3D CADでは凡そ7~8割干渉が減少したそうです。

より難易度の高い機械設計も可能に

3D CADの導入は仕事の効率化だけではなく、より難易度の高い仕事を可能にしたとのこと。それまでは技術的な面から請け負うことが難しいとされていたことも、3D CADであればこなせることから、受注案件の幅が広がり、それまででは難しく、水から敬遠せざるを得なかった仕事にも積極的に挑戦できるようになり、全体的な受注案件も増えたとのことです。

※参照元:IRONCAD公式サイト(https://www.ironcad.jp/success-story/case005/)

今野製作所の事例 ハイエンド3D CADを導入

今野製作所が機械設計に3D CADを導入したきっかけ

株式会社今野製作所(以下、今野製作所)は爪つき油圧ジャッキの大手メーカーではあるものの、バブル期以降売上が伸び悩んでいたとのこと。業績回復のためにいろいろと検討した結果、3D CADを導入しました。
その背景にあったのは、伸び悩んでいた時期に社長に就任した現社長の「ものづくりの見直し・改善」「新規顧客開拓」がテーマにあったからなのだそう。

SOLIDWORKSを導入した結果

3D CADを導入し、それまでの製品を解析したところ、それぞれ安全率を含め、設計基準が統一されていないことに気付いたとのこと。それらも3D CADにより、製品それぞれの規格の統一を実現。これにより、技術情報の標準化を実現したことでパッケージとしてではなく、1品から利益が出せる環境になったそうです。

また、特に改善されたのが特注品。それまで年間1000万円に満たなかった特注品の売り上げが、環境改善によって8,000万円、およそ10倍に増えたとのこと。製品のクオリティが高まったことで相手からの信頼獲得にもつながったとのことです。

※参照元:CAD JAPAN.com(https://www.cadjapan.com/case/solidworks/general_machine/konno.html)

他に読まれている関連記事はこちら
互換性・価格・操作感に優れた
おすすめの3D CADソフトウェア3選

中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。

ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。

<
製品名
幅広い拡張子に対応できる
互換性を重視したいなら
IRONCAD
必要十分の機能をカバーし
低コストを重視したいなら
Alibre Design
誰でも直観的にデザインできる
操作感を重視したいなら
ZW3D
主な用途・得意分野自動機設計・設備機械設計 機械装置・金型の設計 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計
対応フォーマット インポート:26
エクスポート:33
インポート:18
エクスポート:11
インポート:24
エクスポート:24
ライセンス価格 IRONCAD
スタンドアローンライセンス
1,135,970円(税込)
Alibre Design
エキスパートライセンス
(メンテナンス込み)
535,000円(税込)
ZW3D
プロフェッショナルライセンス
946,000円(税込)
操作感の特徴 マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。
ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。
曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。
さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。
各社詳細
選定条件:
Google検索「3DCAD」の結果から、用途に製造業が含まれている3DCADソフトウェア39種類を抽出。その内、対応するデータ形式が合計20個以上で、パラメトリックモデリング対応とマウスによる直観操作が可能、かつ価格が40万円~120万円程度のミドルレンジ帯のソフトウェア10種に絞り込んだ。
・IRONCADの選定理由:10種の内、もっとも対応データ形式が多い3DCADソフトウェアとして選出。

・Alibre Designの選定理由:10種の内、ライセンスの価格がもっとも安い3DCADソフトウェアとして選出。
・ZW3Dの選定理由:10種の内、ハイブリッドモデリングをマウス等の入力装置を用いた直観操作で使える、唯一のオールインワン型3DCADソフトウェアとして選出。 (調査日:2023年11月3日)
3DCAD比較