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ハイエンド/ミドルレンジ/ローエンド

3D CADは、スペック面や価格において、ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドと分類されることがあります。
当然それぞれ異なる特徴を持っていますので、3D CADの導入をと考えている時には、これらに関しても一つの目安にしてみると良いでしょう。

ハイエンド

文字通り、スペックの高い性能を持つCADです。
ただ単に機能が豊富なだけではなく、大規模アセンブリでも高速処理が可能なのでリードタイムの短縮・効率化に貢献してくれます。また、汎用性が高いものも多いので、様々なデータを取り使えます。3D CADだけでも様々な種類がありますが、ハイエンドのCADであれば、他のCADデータを多く読み込めるなど、快適な作業をもたらしてくれることでしょう。
また、3D-2Dの連携機能も強力。開発から、設計、解析までの豊富なモジュールを連携させたPML製品としての価値も備えています。

ハイエンドの3D CADのデメリット

多くのメリットを持つハイエンドモデル。一方で、ハイエンドはどうしても費用がかかります。また、高速処理が可能だとお伝えしましたが、高速処理を可能にするマシンパワーも求められます。
仮にですが、古いPCにハイエンドの3D CADを導入したとしてもポテンシャルを最大限に発揮することは難しいでしょう。

ハイエンドの3D CAD

ここではハイエンド3D CADの一部をご紹介いたします。

CATIA V5(ダッソー・システムズ社)>>
Creo(PTC社)>>
NX(シーメンスPLMソフトウェア社)>>
※詳細は、各製品の紹介ページをご確認ください。

ローエンド

いわゆるエントリーモデルのCADと考えると分かりやすいのではないでしょうか。
機能という点に於いては「多種多様」とは言えないものの、導入費用の安さや機能が限られているからこそ、軽快さが特徴なものもあります。

ローエンドのデメリット

ローエンドのデメリットは機能性や拡張性の低さです。
ハイエンドと比べると、できることは限られてしまいますし、扱えるデータも限られています。しかし、裏を返せば「限られていること」で十分だったり、あるいは異なるCADデータを取り扱う機会がないのであれば、ローエンドでも問題はありません。

ローエンドの3D CAD

ここではローエンドの3D CADの一部をご紹介いたします。

Fusion360(オートデスク社)>>

※詳細は、製品の紹介ページをご確認ください。
※価格的には、ローエンドに位置する製品ですが、性能は十分です。
ただし、クラウドソフトで、データがクラウド上に保存されるため、セキュリティ面など機密情報の扱いには不向きかもしれません。

ミドルレンジ

ハイエンドとローエンドの間に位置しているのがミドルレンジです。
ミドルレンジは幅広いもので、例えば図脳CAD 3D V2のように、ミドルレンジに位置づけられているものの、ハイエンドと同じカーネルを採用していることで、ハイエンド並の使い勝手を持つものもあります。
ローエンド寄りのものもあれば、ハイエンド寄りのものもありますので、ミドルレンジのCADを選ぶ際には、ニーズに沿っているのかを考えることが求められます。裏を返せば、CADで行いたいことが明確で、その点を特徴としているミドルレンジがあればハイエンドではなく、ミドルレンジで十分だということです。

ミドルレンジの3D CAD

互換性・価格・操作感に優れた
おすすめの3D CADソフトウェア3選

中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。

ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。

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製品名
幅広い拡張子に対応できる
互換性を重視したいなら
IRONCAD
必要十分の機能をカバーし
低コストを重視したいなら
Alibre Design
誰でも直観的にデザインできる
操作感を重視したいなら
ZW3D
主な用途・得意分野自動機設計・設備機械設計 機械装置・金型の設計 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計
対応フォーマット インポート:26
エクスポート:33
インポート:18
エクスポート:11
インポート:24
エクスポート:24
ライセンス価格 IRONCAD
スタンドアローンライセンス
1,135,970円(税込)
Alibre Design
エキスパートライセンス
(メンテナンス込み)
535,000円(税込)
ZW3D
プロフェッショナルライセンス
946,000円(税込)
操作感の特徴 マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。
ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。
曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。
さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。
各社詳細
選定条件:
Google検索「3DCAD」の結果から、用途に製造業が含まれている3DCADソフトウェア39種類を抽出。その内、対応するデータ形式が合計20個以上で、パラメトリックモデリング対応とマウスによる直観操作が可能、かつ価格が40万円~120万円程度のミドルレンジ帯のソフトウェア10種に絞り込んだ。
・IRONCADの選定理由:10種の内、もっとも対応データ形式が多い3DCADソフトウェアとして選出。

・Alibre Designの選定理由:10種の内、ライセンスの価格がもっとも安い3DCADソフトウェアとして選出。
・ZW3Dの選定理由:10種の内、ハイブリッドモデリングをマウス等の入力装置を用いた直観操作で使える、唯一のオールインワン型3DCADソフトウェアとして選出。 (調査日:2023年11月3日)
3DCAD比較