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IRONCAD

装置・治具設計で用いられているIRONCAD。どのような特徴を持つCADなのかについてまとめてみましたのでご覧ください。

IRONCADはどのような用途・企業に向いているのか

IRONCAD(IronCAD, LLC.)公式サイト 引用元:IRONCAD(IronCAD, LLC.)公式サイト
http://www.ironcad.jp/design-collaboration-suite/ironcad/

装置・治具設計に強い3D CAD

多くの独自機能を持つことから、従来の3D CADでは難しいとされていた構想設計を簡単に行える点が特徴のIRONCAD。装置・治具といった機械設計にて用いられることが多いのもそのためです。ミドルレンジに位置付けられており、ダイレクトモデリング、フューチャーベースモデリングの双方が可能な点が、幅広い支持を集めています。

IRONCADの特徴と強み

1初心者から上級者まで扱いやすい機能の数々

IRONCADはフューチャーベースモデリングとダイレクトモデリングの双方に対応しています。パーツを集めて簡単に設計することも可能なら、一から自らの手で細かく設計することも可能です。「カタログ」には多くの素材が用意されていますので、設備機械や治具に関してはわざわざスケッチを描く必要がなく、用意されているパーツを上手く使いこなすことで高度な設計を可能にします。

2操作性の高さ

操作性の高さもIRONCADの特徴です。直感的な操作が可能なインターフェースや、大きな文字が採用されているアイコンたち。これまで異なるCADを利用していた人、あるいは初めて本格的にCADを扱う人も、見ただけで「なんとなく」用意されている機能やできることを理解できるでしょう。
また、シンプルなインターフェースのおかげで習得時間の短さや作業時間の短縮にも繋がります。ちなみに先に「カタログから選ぶだけ」だとお伝えしましたが、カタログからドラッグ&ドロップでの設計も可能となっています。

3軽快な動作

軽快な動作もIRONCADの特徴。CADに限らず、PCでの作業は大容量のものやマシンに大きな負担をかけるものは得てして表示速度が遅くなるなど、動作が重くなってしまいがちです。CADも例外ではなく、特に高性能なCADであればあるほど、処理・表示能力が求められるものですが、IRONCADは軽快な動作が可能。数十万点以上の大規模データに於いても良好なパフォーマンスを実現します。

互換性・価格・操作感に優れた
3D CADソフトウェア3選を見る

対応するカーネル・ファイル形式(拡張子)

CatPart、CatProduct、cgr、prt、asm、sldprt、sldasm、ipt、iam、prt、par、asm、psm、jt

これらのインポートに対応。
ちなみにCatPart、CatProductに関してはエクスポートにも対応しています。

IRONCADの価格

IRONCAD スタンドアロンライセンス:1,135,970円(税込)

IRONCADの保証サービスやサポート

IRONCADを導入すると、サポートサイト、「ABC for IRONCAD」の利用が可能になります。こちらは資料だけではなく動画による解説が行われています。
また、機能拡張のためのアドインの一部を無料で利用することも可能。また、次期バージョンへの無償アップグレートも用意されています。

IRONCADの製品レビュー・評判は?

使いやすくてコストパフォーマンスも高い

操作が簡単。金額が安い。3D CAD = 操作が難しい、という考えがあったのですが、IRONCADはすぐに使えるようになりました。
IRONCADを導入後、設計が非常に楽になりました。もし、IRONCADを導入していなかったら、今のような短納期には対応できていなかったと思います。
他の3D CADに比べて低価格であるため、会社への申請も通り安いことも良かったです。
部品干渉の減少、他部署や客先への説明、出図までの短納期化などがメリットとしては上げられます。3Dのため、2D図面を読めない人への説明が楽になり、機械が出来上がってから、事前に聞いていたことと違う、ということが少なくなりました。

直感的に使える

全般的に直観的な操作が可能。特にTriBall (トライボール)の使い方さえ覚えれば、他の3D-CADを圧倒するスピードでモデリングすることが可能となる。
2D-CADからの移行に於いて、最大の障壁は「使用するツールが変わることへの抵抗」だった。しかし、若手が使い始めると、このCADの周りから見てわかる操作性の良さとスピードが「やってみようかな」と思わせることに成功した。
機械設備の設計者にお薦め。操作性は良好。“重さ”についてはメーカーへの相談で解決できる可能性がある。価格は数年前から大幅に上昇して割安感が損なわれたものの、Add-Onで使用できる解析ツールなどの価格も考慮すると、依然として安価と言える。

かなりポテンシャルが高いと思います

他社製の3DCADはほとんど使用したことはありませんが、拘束などによるストレスが少なく、サクサク描いていける感覚があります。また、トライボールを使いこなすことで状況に応じた対応場面を直感的に作れると思います。
また、何よりもテクニカルサポートの方々の対応がとても良く、迅速で丁寧、且つわかりやすかったです。3DCAD初級者の私でも、サポート期間が切れる頃には普通に使えるようにはなっていたと思います。

計画設計にも適切で、初心者でも習得しやすいCADです。

設計途中のタイミングで実際のCAD上で中間プレゼンする場合が多いのですが、その場での変更や追加が容易にできます。それにより
お客様と一緒に問題点を検証しながら、打合わせを進めることができるため
後々の手戻りが少なくなります。
また、他のCADと中間ファイルでやり取りする場合の互換性も良いです。
CAD初心者、設計初心者でも、短期間で作図ができるようになります。
IRONCADは、周囲では利用している企業はないですが、CATIAやSolidWorksのデータも読み込むことができ、取引先に変換の手間をかけずに済むために、
データのやり取りがスムーズにできます。

IRONCADの使用例・導入例

テイ・エス テック株式会社の導入事例

テイ・エス テック株式会社は自動車内装部品を製造しているメーカーで、国内と海外に13拠点を展開しています。同社では完全に外注頼りとなっていた設備製作を社内で行えるように変革し、より現場のニーズを商品へ反映できる環境の構築を目指してIRONCADを導入しました。以前は2D CADを利用していた同社ですが、3D CADであるIRONCADを採用したことで事前の干渉確認も容易になり、作業効率が格段に上昇しました。

株式会社ナカサクの導入事例

製鉄業やガラス関連業界から、生産設備の設計や製造を受託している株式会社ナカサクでは、3Dデータの作成効率をアップさせるためにIRONCADを導入しました。3次元モデルでの干渉確認がスムーズに行えるようになったことで、設計の後戻りが大きく削減され、機械設計者が一人でロボットシミュレーションまで実行できるようになったそうです。また、疑問があればサポートに相談できる体制にも助けられているということでした。

株式会社エフエーの導入事例

半導体検査装置や分割装置の製造会社である株式会社エフエーでは、一層の企業成長を目指すためにIRONCADを導入しています。同社ではそれまで2D CADを活用していましたが、社会の変化に対応するためあえて2Dシステムの運用を完全廃止し、IRONCADのみの運用を決めました。操作の困難さといった不安もありましたが、担当者がおよそ1ヶ月でシステムを修得、現在は教育プログラムを使って全員が技術を共有しています。

株式会社九州セミコンダクターKAW 山香工場の導入事例

ミクロン単位の精度を要する半導体製作の生産性を高めようと、株式会社九州セミコンダクターKAW 山香工場ではIRONCADを導入して、3Dモデルを積極的に活用しています。繊細かつ自由に動くロボットの動作確認でIRONCADが役立っている他、視覚的な訴求力のある3Dモデルを使うことで、クライアントとの認識の誤差も解消できました。

その他の導入企業

日向中島鉄工所
ノリタケカンパニーリミテド 三好事業所
ヒロテック

IRONCADのメーカー情報

メーカー名 IronCAD, LLC
※日本総代理店:株式会社クリエイティブマシン
本社所在地 (※クリエイティブマシン)宮崎県宮崎市島之内7275-4
問合せ先 0985-71-2078
公式サイト http://www.ironcad.jp/
互換性・価格・操作感に優れた
おすすめの3D CADソフトウェア3選

中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。

ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。

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製品名
幅広い拡張子に対応できる
互換性を重視したいなら
IRONCAD
必要十分の機能をカバーし
低コストを重視したいなら
Alibre Design
誰でも直観的にデザインできる
操作感を重視したいなら
ZW3D
主な用途・得意分野自動機設計・設備機械設計 機械装置・金型の設計 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計
対応フォーマット インポート:26
エクスポート:33
インポート:18
エクスポート:11
インポート:24
エクスポート:24
ライセンス価格 IRONCAD
スタンドアローンライセンス
1,135,970円(税込)
Alibre Design
エキスパートライセンス
(メンテナンス込み)
535,000円(税込)
ZW3D
プロフェッショナルライセンス
946,000円(税込)
操作感の特徴 マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。
ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。
曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。
さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。
各社詳細
選定条件:
Google検索「3DCAD」の結果から、用途に製造業が含まれている3DCADソフトウェア39種類を抽出。その内、対応するデータ形式が合計20個以上で、パラメトリックモデリング対応とマウスによる直観操作が可能、かつ価格が40万円~120万円程度のミドルレンジ帯のソフトウェア10種に絞り込んだ。
・IRONCADの選定理由:10種の内、もっとも対応データ形式が多い3DCADソフトウェアとして選出。

・Alibre Designの選定理由:10種の内、ライセンスの価格がもっとも安い3DCADソフトウェアとして選出。
・ZW3Dの選定理由:10種の内、ハイブリッドモデリングをマウス等の入力装置を用いた直観操作で使える、唯一のオールインワン型3DCADソフトウェアとして選出。 (調査日:2023年11月3日)
3DCAD比較