公開日: |更新日:

カーネル

CADを利用していれば、「カーネル」という言葉は頻繁に目にするものですが、実はよく分かっていないという人も多いのではないでしょうか。そこで、カーネルについて様々な角度から解説します。

カーネルは3D CADの「心臓」

カーネルとは、いわば3D CADの心臓です。CADにおけるコア部分で、CADの様々な機能がプログラミングされています。そのため、CADの機能はカーネルによってある程度定められています。つまり、CADのスキル・クオリティはカーネルによって決まると言っても過言ではありません。

実際、ハイエンド、ミドルレンジ、ローエンドといったランク分けは、カーネルの性能によって分類されていると言っても過言ではありません。
但し、図脳CAD 3D V2のようにミドルレンジではあるものの、ハイエンドと同じカーネルを利用している3D CADもあるなど、それぞれ様々な個性を持っていることが分かりますが、同じカーネルの場合、データの授受が容易というメリットもあります。

市販のカーネルは大きく3つ

カーネルは、実は大きく分類すると3つとなります。
CADを開発メーカーとしても、カーネルを1から作るとなると大変な労力・コストがかかります。カーネルは市販のものを活用し、独自機能を搭載させているので、多くのCADは、下記の3種類の亜流と考えることもできます。

Parasolid

アメリカのUnigraphics Solutions社が開発しているカーネルで、主にミドルレンジCADにて活用されています。機械系CADで最も採用されているとも囁かれているので、名前は知らなくとも、知らず知らず既にParasolidのカーネルを利用している人は大勢いることでしょう。NX、SolidWorks、TOPsolid、Solid EdgeといったCADで採用されています。

ACIS(エイシス)

アメリカのSpatial Technology社が開発しているカーネルです。
こちらはInventorにて採用されていますが、Parasolidと比べると少々マイナーなカーネルです。

SIGN BASE(デザインベース)

日本企業「リコー」が開発している国産カーネルです。
国産という強みはあるものの、採用しているCADは少数派となっています。

独自カーネルを採用しているCADも

互換性・価格・操作感に優れた
おすすめの3D CADソフトウェア3選

中小製造業であれば、対応する拡張子が合計20以上、価格は40~120万円程度、そして3Dモデリングならではのパラメトリックモデリング(パラメーター入力による設計)機能を有しつつも、マウスやペンタブで直観的な操作が可能なソフトウェアが狙い目です。

ここで紹介する3つの3D CADは、すべてその条件を満たしているおすすめのソフトウェアです。それぞれ「互換性の幅広さ」「低価格」「直観的な操作感」の面で突出した強みを持っているので、重要視したいポイントに合わせて選んでみてください。

<
製品名
幅広い拡張子に対応できる
互換性を重視したいなら
IRONCAD
必要十分の機能をカバーし
低コストを重視したいなら
Alibre Design
誰でも直観的にデザインできる
操作感を重視したいなら
ZW3D
主な用途・得意分野自動機設計・設備機械設計 機械装置・金型の設計 機械装置・医療機器・家電・プラスチック金型の設計
対応フォーマット インポート:26
エクスポート:33
インポート:18
エクスポート:11
インポート:24
エクスポート:24
ライセンス価格 IRONCAD
スタンドアローンライセンス
1,135,970円(税込)
Alibre Design
エキスパートライセンス
(メンテナンス込み)
535,000円(税込)
ZW3D
プロフェッショナルライセンス
946,000円(税込)
操作感の特徴 マウス操作のモデル作成が簡単で、パラメーターを使った精確な調整と組み合わせ、求める3Dモデリングを実現できます。
ワンクリックでレンダリング環境にデータ転送できる便利さも備えているのも強みの一つです。
いつでも変更可能なスケッチ寸法やジオメトリ拘束など、パラメトリックモデリングをサポートする機能が搭載されています。
曲面形状の部品に対しては、マウスを使ったサーフェスモデリングでスピーディーに設計可能です。
ミドルレンジ帯でありながら、ソリッドとサーフェスを掛け合わせたハイブリッドモデリングを直観操作で使えるのが最大の強み。
さらにCAE・CAMを組み込んだオールインワン型で、一連の作業をシームレスに実行可能です。
各社詳細
選定条件:
Google検索「3DCAD」の結果から、用途に製造業が含まれている3DCADソフトウェア39種類を抽出。その内、対応するデータ形式が合計20個以上で、パラメトリックモデリング対応とマウスによる直観操作が可能、かつ価格が40万円~120万円程度のミドルレンジ帯のソフトウェア10種に絞り込んだ。
・IRONCADの選定理由:10種の内、もっとも対応データ形式が多い3DCADソフトウェアとして選出。

・Alibre Designの選定理由:10種の内、ライセンスの価格がもっとも安い3DCADソフトウェアとして選出。
・ZW3Dの選定理由:10種の内、ハイブリッドモデリングをマウス等の入力装置を用いた直観操作で使える、唯一のオールインワン型3DCADソフトウェアとして選出。 (調査日:2023年11月3日)
3DCAD比較